*  自分史 製造業系 ( 五十歳までのワシ。 鉄工所三十二年間の想ひ出 )  *   < kujila-books ホームへ帰る >

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第 6 章  *  2 の 2 / 7

石川県警・小松警察署刑事課の私兵化問題



< 再度問う、力は正義か? >



続きのページである。
白江俊雄夫妻との談判は、継続中だ。

このページ、まず重要人物の水島氏を紹介す。
事務長側、彼に出廷されると困る。嘘がバレて仕舞う。
絶対に、阻止したい。

よって小松警察署刑事課を用い、
石川県へは二度と来るな。来たら逮捕すと言わせた。
さらには水島警察署の刑事にも、行くなと念を押させた。

これは歴とした、違法行為ですぞッ
石川県に来れば逮捕すとは、如何なる法を根拠の恫喝か?
根拠法を示せッ

刑事課長だった M よ、この問いに答えられるかッ
M とは、出ても居ない家宅捜索令状にて四時間に渉り、
ワシを吊るし上げた刑事である。
のち出世して穴水警察署の署長に就任した。

ワシの言う、小松警察署刑事課は
白江事務長一家の私兵と化したは、
以上を根拠とす。

ではまず水島氏から見て行く。



*     *     *




< 水島氏こそ、問題の鍵だった。>


水島氏は、仮名である。 ご自宅は岡山県倉敷市・水島である。 よっ
て水島氏と仮称した。

水島と言えば水島工業団地で有名だ。 この水島氏、そこに所在の日本
鋼管水島製作所( 当時 )の、下請け関連会社の社員であられた。

職種は溶接工。



彼の溶接、普通の溶接では無い。 三年毎に更新試験の有る特殊技能の
溶接である。

石川県に手取りダムが建設された折り、ダムの導水菅が日本鋼管製だった。
その鋼管を継ぐ特殊溶接の技能者として、石川県へ来たのだ。




水島氏、長身のダンデイ男。 ワシとの会見の場での出で立ちたるや、
身体にぴったし白一色の、ポロシャツとジーパン。

脚が無闇に長く、日本人離れしたプロポ〜ション。 美丈夫と言うべし。
ワシ、ちょっと眩( まぶし )かった。



ただし顔貌は、漁師まがいに極端な日焼け。 全体にヤクザ風の感じ漂
うから、観る者をして、時に、たじろがせる。

俳優の高倉健みたいと言うか。 鼻梁、なかなかに高けれど、くちびる
薄く、酷薄と言う感じは無いが、まあ、目立つ男ではあった。

我らから見ると、普通の世界の人間では無い。 その雰囲気、否めない。



   *       *       *



問題は彼の学識だ。 自分の名前がやっと書けるレベル。 当時の
ワシには、人生で初めて会うタイプの人間だった。

最初、外見から、その筋の人かと用心したが、話して見れば気さくな感
じ。 なかなかに話せる男だったが、



気に喰わぬ場面に成ると、カッと成りて、刃物を振り回しかねぬ気配に
は、用心が必要だった。

ご本人の申告に依ればだが、傷害の前科一犯だそうだ。 その辺に引っ
掛けて、小松署の刑事らは対応したものと思われる。



   *       *       *



水島氏と、白江俊雄事務長一家との関係は、事務長のお子さんに国立金
沢大学・教育学部の方が居られた。

金沢大学、ご存知の如く、金沢城に在る。 お子さん、休みの日は、近
くのパチンコ屋。


チンジャラジャラが趣味だったそうな。 たまたま隣りの台に水島氏。
咥えタバコでパチンコ。

何と無く始めた雑談で、意気投合。



一緒に、晩飯でも喰いに行こうかってんで、赤のれん。 差しつ差され
つ、すっかりご機嫌に成り、

おいっ、今夜は俺の部屋に泊まって行けよッ



てな調子から、以後永く続いた同居とは相( あい )成ったそうな。
これ、水島氏から聞き、白江さんちのお子さん、ご本人からも

同じように聞いたので、間違い無く、その様で有ったらし。



その縁で水島氏、小松の白江俊雄事務長宅へ出入りした。 そこでワシ
と白江一家との間に惹起した今般の問題にも精通され、

連絡して来たのだ。



   *       *       *



水島氏、電話にて言わく。 オイッ、兄( あん )ちゃん。 おめえ、
騙されとるぞ。

アホもいい加減にしな。 馬鹿にされとるだけだ。 目の玉、かっ開
( ぴら )いて、良お 〜 く見なきゃ駄目だろ。



ちなみに水島氏、昭和十四年生れ。 ワシ、二十三年生だから、九歳年
上である。

弁解がましいが、その頃のワシ、母親の過干渉に、あわや自殺の瀬戸際
だったから、

傍の人から見たワシ、心ここに在らずの抜け作( さく )だったろう。



ワシの余りなる無用心に、水島氏。 見て、られなかったそうな。 か
も知れぬ。

自殺する直前の人間には、物事の価値も興味も消滅するのだ。 なにし
ろ、やがて死ぬのだもの。



大金を持ち逃げされたって、死に向かって歩む人間には意味を成さぬ様
に、常識人から見れば、そう言う危うさの、

ど真ん中に、当時のワシは居たのだ。



   *       *       *



何度も言うが、白江夫妻。 ワシのこの状態を利用すれば、真空斬りに
て、一刀両断。 殺す事も可能だったのだ。

何の故にか、この力を使わなかった。 今だに理解しかねる。 敵を知
り、己を知れば、百戦危うからずの古言を、無駄にしとる。



白江事務長夫妻のは、己の力を知るのみにて、当時のワシの状況を無視し
て、見ようともしなかった。

只々、おのれの豪力を頼みに、刑事課を動かし、裁判では調停員を味方
にしたのだから、凄い力は間違い無けれども。

ワシを屈服出来なかった。



まさかワシが、かくまで抵抗するとは思わなかったのだろが、ちょっと
客観視すれば、そんな力、必要無いのである。

惜しい事でした。 あの瞬間なら無手勝流で勝てたのに、力に頼り過ぎ
ましたナ。



   *       *       *



さて水島氏。 あれは四月だったと思う。 ワシに電話して、会いたい
と言う。

ワシ、車で小松駅へ行った。 駅舎の壁、約束の場所に水島氏が立って
いた。



この段の冒頭に書いた如く水島氏、一見、東映のヤクザ映画の主人公め
いたプロポ〜ション。

高倉健を凌ぐは、大袈裟なれど、いい男だった。 脚が日本人離れして
長いから、それだけでドキッとする美丈夫に見えた。



だけど喫茶店に入り、間近から見ると、日焼け、し過ぎた顔は、潮風に
吹かれた漁師みたいにひび割れて、

折角の美男子も台無しである。 肌のキメが荒過ぎた。



見るのと話すのは別って奴でナ。 水島氏の余りなる無学に、いよいよ
こりゃ普通の世界の人間じゃ無いわいと感じた。

無類に善良で、そこは良いのだが。 とにかく外見と中身が、アンバラ
ンスな男だった。



   *       *       *



水島氏いわく、オメ 〜 さん、事務長一家に騙されとる。 これを差し
上げるから、じっくりと見て、

目を覚まして貰いたい。 言うて、色んな品と一緒に、数枚のポラロイ
ド写真を渡して呉れた。



ワシわざわざ、ポラロイド写真と書く。 普通の写真とポラロイド写真
は、一見して違う。 間違えはしない。

この後の調停裁判であった。 この写真が問題に成ったのだ。 調停員
の一人、その写真は偽物ですと言うて譲らない。



聞くけど、ポラロイドで、どうやって合成写真、偽造写真を造るの?
教えて貰いたい。

ポラロイドに、偽造写真は無いのだッ  ポラロイドで、どう
やって偽造するのか、教えて貰いたい。



飛んでもねえ与太言う調停員だった。 名を中谷紀子氏と申す。 お寺
の住職の夫人ではある。 こんな女を調停員にしてて良いのか?

仔細は段を改めて書く。



   *       *       *



小松警察署刑事課の刑事課長 M が、出ても居ない家宅捜索令状を、出
てると言い、

ワシを四時間、吊し上げ、渡せと迫った品物が、このポラロイド写真
であった。

これ警察の、民事裁判への介入だぞ。



白江側の主張する、水島氏に依る、白江家のお子さんへの脅迫行為を根
拠に、小松警察署は、困り事相談的に対応した積もりでしょうが、

その捜査過程には不審が多過ぎる。 水島氏と白江家のお子さん、神奈
川県の横須賀にて同居。



お子さんの方は、追浜に在る伊香輪会計事務所に勤務してたのだから、
小松警察署の刑事課は、電話くらいして、

様子がどうだったかを問い合わせても、罰は当らんだろうに、そんな事
さえ、してないのだ。



なのに水島氏を吊るし上げて、二度と石川県へ来るなとは、何事かッ
それじゃ白江側の私兵じゃないかに、反論出来るかッ

出来るなら、して貰いたい。



   *       *       *



問題のポラロイド写真、水島氏と白江家のお子さんの、おふざけ写真で
はあったが、

裁判の有力な証拠なので、白江側は刑事課長の M を使そうして、ワシ
から取ろうとしたのでしょうが、残念、失敗でした。



その写真を渡せと迫り、家宅捜索令状まで持ち出した M の行為は、
レキとした、懲戒免職に該当する行為ではありますぞ。

ま、こんなヤバイ行為を刑事課長にさせた白江ユキ氏の実力に、驚嘆す
べきかも知れませんがね。

違法行為、間違い無しの案件です。



我ら普通感覚の人間には、こんな行為、不可能である。 たとえ機会に
恵まれたとしても、恐くて出来ないだろ。

そう言う難事を、平気でなさる白江ユキ氏の神経は、敬服ものである。
但し、違法ですがね。 



M はその後、穴水警察署の署長に就任した。 この人事、正しいと言え
ますか?

石川県警・人事課殿、ご返答願いたい。



   *       *       *



< 決裂談判は続行中である。>


前段では白江事務長夫妻、自分たちの体験談など混じえつつ、この世は
力である。

力の強い者が勝つ。 正しい者が勝つのでは無い。 と言う事を、丁寧
に丁寧に説諭したのであったが、

ワシ、遂に、うんと言わぬものだから、



事務長夫人白江ユキ氏、夫を促して、もう帰りましょと立ち上がった。
そして、こんな事を言ったのだ。

この人、どうやらわたし達とは考え方が、違う様です。 これ以上、話
しても無駄ですから、お父さん、帰りましょ。



言うて夫を立たせ。 立たせたのだから帰るのかと思いきや、これが帰
らないのだ。

白江夫妻は、ワシの2メートル前だぜ。 その位置にて立ったまま、また
ぞろ対話を開始なのだ。



   *       *       *



そう言えば○○だ。 あの社長、こんな悪い事をした。 自分で始末が
付かず、助けて呉れ言うて、わし等に泣き付いて来た。

わし等はそれを、助けてやった。 それから○○だ。 あの先生も、こ
んな不正をして居る。



それから○○も悪い事をした。 ○○も悪い事をした。 ○○も悪い事
をした。

そいつら全てを助けたのは、わし等だ。 わし等が、みんな助けてやっ
たのだ。



○○には、小松の著名人が、ずらずらと入る。 産業界の大物。 市議
会議員の有力者。 資産家と目される人物。

その他、医師など。 その中の A 医師の息子の女問題は、前ページに
書いた通りだ。



黙って聞いてると、小松市の有力者。 あらかた登場じゃ無いか。 も
し白江夫妻の話が本当なら、

こりゃ白江夫妻、小松市の、飛んでもねえ影の実力者と言わねばならぬ。
普通の神経の人なら、地元著名人の名を、

かくまでズラズラと出されれば、それだけで降参だッ



白江さん、宜しくお願いしますと頭を下げてしまうだろ。 ワシの場合
はどうか?  屁( へ )とも思わなかった。

反対に、お前らアホか、と思った。 ワシにはこの手の脅し、偽薬ほど
( プラシ〜ボ )の効果も無い。



この辺がワシの、変人の、変人たる所以( ゆえん )かも知れぬナ。
本当に屁とも思わなかった。

こんな人間は、始末が悪い。




白江俊雄氏、最後に言うのだった。 今度は、わしらが助けて貰う番だ。
そして夫婦して、ワシを見下ろすのだった。

ワシ、へッ、何を言うとるんじゃの顔で睨み返したので、ご両人、慌
( あわ )てて横向いてしまった。



   *       *       *



ここらで一服、白江家にて目撃した逸話を入れる。

あれは五月、端午の節句、子供の日。 良く晴れた日だった。 ワシ、
事務長宅へ行ったのさ。



居間には贈り物の素敵な箱、十五ばかり積んである。 中身は何か?
英国製のワイシャツだ。

英国製の意味、判りますか? 英国製ですよ。 香港製じゃ無い。 英
国製だ。



一箱、これ一万五千円なのだ。 一万五千円の、英国製のワイシャツだぜ。
こんな高いワイシャツ、身に着けた事、一度も無い。

それが十五箱、積んで有るとは、全体で二十二万五千円だ。 事務長夫
人の白江ユキ氏、ワシを諭( さとす )すが如く、のたまいて言わく、



これはね、日頃お付き合いしてる、小松の有力者に持って行く品物です。
あなたも、こんな物が貰える人に早く成りなさい ・ ・ ・ だとよ。

今だに成れず、スイマセンです。 言われた時は、大きなお世話と思った
がね。 そんな事、有りました。



   *       *       *



贈答品、言う物は、盆と暮れじゃ無かったかナ?  五月の端午の節句
にまで持ってくなんて、ワシ、初見だった。

白江事務長宅では、有力者限定なれど、年に三回も、贈答品を持参する。
小松で、これを貰ってる有力者さんが、

十五名ばかし居( ござ )るってわけだ。




小松に居住して、我が身を有力者だと思っとる方、ちゃんと貰ってます
か?

まだ貰って無い方は、事務長宅へ、嫌味のひとつも言うべし。




あの頃からワシ、注意深く観察しとるが、盆と暮れ以外の五月にも引き
出物を持ってく家なんて、他に見た事が無い。

諸君は、そんなお宅、ご存知か? 年に三回、一軒当たり四万五千円だ
ぜ。



なるほど、こんな家なればこそ、刑事警察を私兵化出来るのだ。 普通
の神経の人、そんな事、しない。

出来ない。



   *       *       *



事務長一家の場合は、しかも、普通のお付き合いに留( とど )まらぬ。
有力者が不正を犯せば、助けて貰えるのだ。

なるほどそれならば、お付き合い以上の関係とは成れる。 相手の懐
( ふところ )に手を入れたよな状態と成れる。

言わゆる、金玉を握られた状態だ。 これは強い。



事務長夫妻、日頃から、この手の場数を踏んどるから、小松警察署の刑
事課長に、出ても居ない家宅捜索令状を出てると言わせ、

ワシを四時間に渉り、吊し上げさすよな離れ業も可能となるのだろう。



   *       *       *



だけど M 刑事課長( 当時 )は、どんな反対給付にて、こんなヤバイ
仕事、引き受けたのだろ?

事務長夫人の要請からの、ボランテアか?  ボランテアにしては危険
過ぎる仕事だぜ。 それともワシを舐めた結果か?

いずれにしても只事( ただごと )では無い。 懲戒免職に該当だ。



刑事課長に、こんな仕事をさせたのだ。 白江事務長夫妻の実力、文句
無しに凄いと言える。

ま、笑い話なれど、そんな物凄い御夫婦の諭( さと )しを、断固拒否
して、言う事を聞かぬワシも、只者じゃ御ザンセンですかな?

アッハッハッハッ  では有りますが ・ ・ ・



   *       *       *



白江俊雄事務長、かくの如く、小松の名士を、ずらずらと並べ、彼らの
不正行為を自分がいちいち助けた話をして置いてから、

やおらワシに視線を落として言うのだった。 わしらにはこれだけの有
力者と、つながりが有る。



  ( 間を置いて )



なあ、お兄ちゃん。 聞いただろ。 わし等は小松の有力者と、こんな
関係なのだ。 悪い事は決して言わぬ。

わし等に勝ちを譲って呉れぬか? お兄ちゃんも三十歳だ。 世の中を
知らぬとは言わさんぞ。



誰が、どう考えても、この勝負。 わし等の勝ちだ。 世の中とは、そ
う言う物なのだ。

世の中の力( ちから )関係に逆らって生きて、良い事は絶対に無い。
な、な、わし等にこの勝負、任せては呉れぬか?



絶対に悪い様にはしない。 絶対に悪い様にはせん。 キッパリと約束
する。

なっ、なっ、お兄ちゃんッ  任すと言うて呉れッ
こうして頭まで下げとる。

なっ、お兄ちゃんッ



   *       *       *



この時ワシ、キッとした視線で事務長を見上げて言うたのだ。 お断り
しますと。

この問題は、ワシが正しい。 それだけです。 事務長の言う様な力を
ワシは認めませんッ

と言うたった。



   *       *       *



夫妻の吐( つ )く、深いため息が聞こえた。  これだけ言うても判
らんのかと、怒りの声が降って来た。

だがワシは、八つ裂きにされようとも、曲がった物を真っ直ぐだと言う
了見は無い。



この辺の気分、ワシの両の手の親指が示してる。 ワシの親指、硬直し
て後ろへ少しも反らぬ。

このタイプの骨相の人、正しいと思えば、全世界を敵に回しても、自説
を引っ込めぬ傾向を持つ。



ましてや、この問題。 なんで頭を下げなきゃいかんのか? ワシの方
が正しいと思うから、

いよいよもって、引かない。  白江夫妻にすれば何と言う分らず屋だッ
こんな強情な奴は見た事が無いッ



だったであろうが、こんな人間も世の中には少し必要なのだ。 沢山は
要らないけどね。



   *       *       *



事務長夫人・白江ユキ氏、亭主をドアの方へ誘( いざな )いて言うの
だった。

お父さん帰りましょ。 この人には何を言っても無駄です。 さっ、帰
りましょ。



と言うからには、今度こそ本当に帰るのかと思いきや、これまた帰らん
のだナ。

事務長夫人、悔しさを露わにしつつ、こぶしを握り締め、物に憑( つ
か )れたかの如く、神懸り的に叫び出した。









わたしには力が有るうッ
わたしには力が有るうッ

わたしには
  力が有るうううッ






叫び終るや、ワシを見下ろし、あざける様な笑いを浮かべて言うのだ。

  今まで沢山の人に話して来ましたが、全ての人が最後は、お母さんは凄
い、お母さんは凄い。 お母さんには力が有る。 凄い力が有る。



これまで、お母さん程、力を持ってる人。 見た事が無いと言うて、全
ての人、わたしの思い通 〜 りに成って呉れました。

それからあざ笑う如き表情にて、ワシを見下しつつ、付け足すのだった。




でも、この人だけは、違うのねええ ・ ・ ・ と。



   *       *       *



白江俊雄事務長、これを受けて言うた。


なっ、久治良君、絶対に悪い様にはしないから。 この問題、わし等に
任せては呉れぬか?

これが最後だぞ。 わし等に任せて呉れ。 お兄ちゃんに損など、絶対
にさせ無い。  必ず良い様にまとめるから。



なっなっ、頼む。 頼むからわしらに任せて呉れぬか? 手を合わせる。
この通りだぞッ。



   *       *       *



ワシ、いよよキリリとして、言うたった。  その返事、すでに申し上
げたでしょ。

駄目なものは駄目なのです。  同じ事を何回言わせるのですかッ



   *       *       *



巷間( こうかん ; 世間、ちまたである )、この駄目なものは駄目ッ
は、社民党々首であられた土井たか子氏の言葉とされとるが、

その十年も前に、ワシが言うとる事、ここに明記しとく。 先着順では、
ワシの方が先だんぺ。





( 上の駄洒落、若い人に通じなかったので、解説を書く。 自衛隊の
  海外派遣問題が出た時、当時の社民党々首だった 土井たか子氏。

  憲法上、駄目なものは駄目の一点張りで、取り付く島も無い。
  全く議論に成らない。

  その辺を駄洒落的に引用したわけだ。



  土井たか子とは、北朝鮮の日本人拉致は絶対に有りません、言うとっ
  た、あのオバンや。 彼女のスミマセン、まだ聞いとらんナ。

  北朝鮮の金正日さんに、梯子外された人である。 この原稿を書い
  とる頃、金正日さんは鬼籍に入られた。



  ワシもねえ、事務長夫妻との談判を回想しつつ、家族が居て子供で
  も居た日にゃ、ああまで逆らえたかと、疑問に思う。 )



   *       *       *



< 談判は決裂した。>


事務長夫人・白江ユキ氏の、お父さん、もう帰りましょは、四回目だっ
た。

四回目にて、ようやく言葉通りの実現を見た。 ただしね。 出て行く
時だ。



白江俊雄事務長、ドアを大音響させて閉め、出て行った。 アパート全
体が揺らぐ程の、大衝撃音だった。

かくの如く、この談判、事務長の子供っぽい行為にて、締め括( くく )
られた。



   *       *       *



こう成りゃ裁判だ。 そしてこの裁判と同時平行に、証拠物件をワシに
呉れた水島氏を巡り、

石川県警小松警察署・刑事課では、彼に対し、取調べか脅迫か判らん様
な事が、行われてたのだ。

この取調べ、疑義が残る。




水島氏に依ればだが、調書は既に出来ていた。 小松署の刑事達は M を
中心に、

入れ替わり立ち代り取調べ室に出入りして、水島氏を怒鳴り付けたり、
黙って調書にサインしろと脅迫したりして、

止めなかったそうだ。



水島氏、根負けしてサインすると、二度と石川県には来るなよと念を押
された末、放免されたそな。

水島氏、署を出て、徒歩にて小松駅に至り、汽車で岡山県倉敷市水島へ
帰ったと言う。



但し、以上の情報は水島氏からのものに限定されるとるから、客観性に
欠ける。

証拠として採用する場合、厳重なる注意が必要である。 しかしながら
ワシは、前後の事情から、そんなものだったろうと思う。



   *       *       *



後の段にて書くが、小松警察署刑事課は、何も調べていない。 水島氏
と事務長のお子さんは横須賀に居たのである。

お子さんは、追浜に在る伊香輪会計事務所に勤務してた。 所が小松警
察署・刑事課、その事務所に、電話さえ、して無い。

問い合わせて居らんのだ。




そんなアホな捜査が有るかいッ てんだッ




それで吊るし上げた末、石川県には二度と来るなよ ・ ・ ・ は、
一体全体、何の言いだ?

小松警察署刑事課は、白江事務長の私兵か?  それじゃ事務長の、民
事裁判の支援じゃ無いか?




ワシの文章に文句あれば言って欲しい。 名誉毀損で訴えたいなら大歓
迎する。 もっとも名誉毀損は親告罪だ。

小松警察署の刑事課が、同じ刑事課に自己申告とは成る。 ニュース性、
抜群だぜ

これは受けますよ。



   *       *       *



以上にて談判と、その周辺の出来事、ほぼ記し終えた。 次段からは、
いよいよ問題の裁判を書いて行く。

付加する形にて、このぺ〜ジにも少し書いた水島氏を巡る小松警察署刑
事課の動きを、さらに記す。



この章のタイトル、小松警察署刑事課は白江俊雄夫妻の私兵と化したの
根拠を、もう一歩、踏み込んだ形にて示す。

この際、問題の焦点は、小松警察署刑事課の中で、誰が中心人物として
動いたのか ・ ・ ・ だ。

ワシ、それを知りたいと、強く思う。



出ても居ない家宅捜索令状にて、ワシを吊し上げた M 刑事課長が中心
であろうか?

刑事課長の上は、刑事部長である。 刑事部長の上は、署長となる。
誰の指揮で、あの様な違法行為が実現したのか?

焦点は、そこだ。



   *       *       *



水島氏に、石川県へは二度と来るな。 来れば逮捕するぞと、言うたそ
うであるが、

如何なる法を根拠に、言うたのか?  小松警察署刑事課は、根拠を示
さねばならぬ。



さらなる問題は、水島氏が、倉敷市水島の自宅へ帰宅したところ、地元
警察署の刑事が訪ねて来て、

石川県へは決して行くなよと、釘を刺して行ったそうだ。



こう成ると、事は小松警察署刑事課だけで済ま無い。 日本の国家的警
察機構を用い、

法的根拠を欠く警察行為をしたと言える。 こりゃどう見ても違法だ。
大違法だ。



ワシの抗議にも関わらず、この件に関し石川県警は、まばたきも、しな
かった。 ご立派と申し上げとく。

ですがこれ、完全なる不正行為ですぞ。



   *       *       *



この件に関し、ワシが間違っておれば如何なる処罰をも甘受する。 こ
の章に登場された人物各位には、

くじらBOOKS の方針に従い、残らず通知した。 文句有れば反論され
たし。 法的対抗処置、大歓迎す。

反応が有れば、この章で紹介す。 お待ち申し上げてます。




では次段にて、裁判へ行く。











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