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第　一　章　　１　/　７　 ＜　ガンは癌だ　ガンの話、癌の講義　＞

＜　君らの三分の一は、ガンで死ぬ　＞ のっけから、恐わーい話だ。 二年次、講義の先生、ガンの話。　我らに向かい、 君らまだ若いけど、この中の三分の一、やがて、ガンで死ぬんだぜ。 我ら二十九期、入学式。　前任の歯学部長、ガン死。　代行の口腔外科、 山本教授、祝辞を述べられた。 先生は次いで歯学部長になられ、我らの五年次、またもやガン死された。 歯学部長に限らず、ウチの大学の教授、ガン死が多い。 当然、原因の探求が始まる。 原因その一。 大学の飲料水が怪しい。　経費節約で、水道水半分、井戸水半分。 ときどき藻が混じる。（ホンマかいな？）　ワタス見ました。 用心深い教授は部屋に、ポリで谷川岳の水、山積み。　大学の水、 絶対飲まぬ。　が、この教授、退職後五年目にガン死。 用心の甲斐が無かった。 原因その二。 大学の上空を横切る、高圧送電線。　これ、アメリカで騒がれた。 送電線の下で暮らす人、ガン死が多い（そうな）。 明海大歯学部、出発が城西歯科大と言う位で、もともとは、城西大の一部。 当大創立者が買い取り、こんにちに来ておる。　そんなワケで くだんの高圧電線、となりが本家本元、城西大の上を通っておる。 あそこの教授、ガンでバタバタと死んでおれば、なるほどかも知れんが、 あいつ等平気で生きておる。　この説はちと、賛同しかねる。 第三の原因は大学の陰謀説。（面白くなって来たぞ） 歯学部長室は四階だ。その下がレントゲン室なんだ。　このレントゲン室から 階上の歯学部長室に向けて、X線を発射。　歯学部長、やがてガンに成る。 あるガン死の歯学部長の家族、ウチの人は大学に殺されたと主張。 大学の学部葬を拒否された。ウウム。 　*　　 　　　*　 　　　　* ワシ五年次、臨床実習で放射線科。　問題のレントゲン発射機、つぶさに 調査したが、犯罪性は確認できなかった。　しかし、別の発見があった。 放射線科、噂の焦点なんね。　学内情報の十字路と、言うべきか。 聞き耳立ててると、教授の裏話はもちろん、来年の人事まで、何でも判る。 地獄耳。看板を情報局とすべきかも。 情報局？　と呟いて、ワシはギョッとした。 ＫＧＢ，ＣＩＡ，モサドはイスラエル、ＭI６は英国諜報部だ（００７はここ） ちなみにワシの学生番号、０７２だった。　明海大放射線科が、世を忍ぶ仮の 姿で、ここが諜報部なら、殺人、謀略は、日常業務の範中だ。 放射線科、開かずの部屋が多い。　あの中に、高性能レントゲン砲が設置され ていないと、誰が言える？　すると歯学部長のガン死は、やはり！！？？ ワシはドキドキする胸を、抑えかねた。 ウチの人は殺された、と言う家族の主張、聞き捨てに、出来ない！ これはウチの大学の、謎の一つだ。　究明が待たれる。 ガン死の教授、お母さん三十五歳でガン死。 お父さんガン死の教授（男）、ガンのにおいは薄い。妹はすでにガンの手術。 ワシの入学式、山本歯学部長代行を拝見して、前任の歯学部長も早死だが、 この先生も長くない、と嘆息すると、耳にしたA先生に、強く否定された。 しかし一年後、山本先生ガンで入院。胃を中心に一キロの臓器を摘出された。 手術から二年、ガン再発、我らの五年次に逝去された。　享年六十一歳。 山本先生繰り返し、胃カメラを飲むべきだったと、悔やまれていた。 忙しくて検査に行けない。　残念無念と、何度もつぶやいておられた。 教授のなかには年二回、胃カメラを飲んでる方が居られる。 ガン傾向の方、参考にして下さい。 　*　　　　　*　　　　　* ワシの祖父、七十五歳、胃ガン死。　父同年、結腸ガン。これは医者のミスで 治ってしまい、死に損ねた。　父の母も、ワシの母も長寿であるから、 男ー女ー男ー女、の法則から言って、ワシのガンは薄い筈なんだが、 心配は、切りが無い。　そろそろカメラかなと、思うんだが困った。 祖父胃がんだろ。　父結腸ガン。　上と下から飲まな、いかん。（飲まないと 駄目だ） これポルノだぜ。　快感、有るんだろうか？ 変な声、出したりして。 ワシとしては、胃か腸か、どっちかにして、貰いたかった。 ワシ、ガンになったら、慶応の近藤誠先生の所、行こうかなと思うんだが、 まずい事にあの先生、ワシと同年なんじゃ。　ワシがガンになるのは七十五 歳だし、その年では、近藤先生、慶応に居ないぜ。　間違えて行くと、 今度にせい！　なんて、門前払いされたりして、（ここ駄洒落ですよ） スゴスゴと、ご帰宅だあ。 *　本　*　　ガン治療総決算　　近藤誠著　（文芸春秋社） 　　　ついでに　阿保徹先生の　*　免疫革命　（講談社インターナショナル） 　　　ワシのお勧めは　西原克成先生の　*　免疫病は怖くない　角川書店） 以上は、一般の人にも面白く読める。医歯学生の必読書。　これらの本を突破 口に、全ての本を手に取るべき。 自分の父と母、父と母の各両親。　合計六名の寿命を足して、六で割った値が、 自分の寿命の概算である。この中に一人でもガン死が有れば、上の本を読み、 用心すべし。 寿命は手相より、上の計算の方が正確だ。 アメリカのことわざに、長生きしたければ、長寿の両親から生まれろとある。 ガンになりたくなければ、ガン傾向の親を、避けるのがよろし。 至難の業では、有るがね。 　*　　　　　*　　　　　* わき道に、それる。 成功したお父さん、あなたの後継者は息子ではない、娘である。 娘に、しかるべき男を見合わせ、生まれた孫の男子が、お父さんの直系である。 息子は妻の、直系だ。　病気の遺伝傾向を見ると、これが自然に判る。 体質の遺伝を研究すれば、同じ結論に達する。 ワシの学んだ鑑定術は、この様に言っている。 だけども別の見方も、有る。　体質は、父 - 娘 - 男の孫 - ひ孫の娘、 と行くんだが、遺伝子の、XとYは、こうでは無い。　男の子、XYの 性遺伝子。　女の子、XXの、性遺伝子。 性遺伝子に着目すると、父 - 息子 - 孫息子は、同一のY、遺伝子の連続 である。　世界広しと言えど、人類、何億何兆名と言えど、同一のY遺伝 子の相続は、我が日本の皇室、天皇陛下以外、ござんせん。 それを思うと、これからの天皇陛下。　見識の乏しい者、軽々しく云々 （うんぬん）すべきでは無い。　千年後の日本人に、笑われんように、 判断せねば、ならんわい。 *　　　　　　*　　　　　　* ＜　ガンは癌だ。　ガンの講義　＞ この段を書く為に、ノートを見れば、イケナイ情報、書いてある。 大学の研究者、海外からの郵便物、検査されない。　学術雑誌と一緒に、 ポルノ本、送られて来る。　本物ですからね、スゲーですよ。 日本の研究者、あんなの見つつ研究するんで、立派な研究、出来るんです。 ワシみたい、メンスの上がったオジンさえ、ドキドキ、アヘアへの、代物。 　 さて講義、病理学、担当教授は言わずと知れた、ドカベン。 講義は、Ａ先生であった。 細胞の、分裂サイクルを調整する遺伝子を、ガン関連遺伝子と言う。 今、三百種ほど知られている。　正常細胞には、寿命が有る。　ガン細胞では、 寿命を司る染色体の、テロメアが合成されて、不死化する。 大まかに言うと、正常細胞が発ガン因子の、イニシエーションを受けて、 ガン細胞になる。　しかしまだ、発ガンしない。　プロモーションを受けて初 めて、ガンに成る。　最近は次に、プログレッシブ　ステージが、考えられて いる。　これは全身へ、転移するもの。 発ガン因子で、我らに最も関与するのは、放射線と紫外線だ。　紫外線が一番 怖い。　真夏の太陽に、全身を曝している人、発ガン実験してる様なもの。即 刻中止！　夏、一時間の日光浴、体表細胞のＤＮＡ，ズタズタ。 修復機構有るから、ガンに成らない。　海で日に当たるのは、非常に危険。 高い山も、良くない。 遺伝的なものとは、ガンになり易い状態が、遺伝するのだ。 遺伝性ガンの人、誕生の時、既に一本の染色体にキズ。 こんな人、発ガン因子に会えば、もう一本の染色体にキズが付いて、 ガンになる。 小児性ガン、多発性ガンの人はこれ。 一個のガン細胞が、一ミリの最小ガンになるのに、二十年掛かる。 でも、ここから二センチのガンになるのは、すぐだ。　五十歳でガンになる人、 二十代からスタートしてる。　発見と治療は、最後の瞬間のみ。 これからは、ガンと共存する時代だ。　潜伏ガン、進行が停止している。 八十歳の男性の８０％に、前立腺ガンがある。　症状は出ない。 天寿ガンは、ガン研の言出だした言葉。　ガンを持って、天寿を全うする。 ガンを予防するということは、プロモーションを抑制すると言う事。 生活の中から、ガンの発生因子を減らす事だ。 後ろで寝てる学生、体内に活性ラジカル出来て、ガンに成ってる。 ガン、おめでとう。　目が覚めたかね？ 　*　　　　　　*　　　　　　*　 　 ガンの発生には、これ以外の説が有る。　研究途上である。 この節の最後に、二つの話題を書く。 過日、ＮＨＫのラジオがこう言った。　歯科病院で三歳の女の子が、歯科医師 の打った麻酔注射で、死亡。　不可抗力、歯科医師に責任は無い。 是は間違い。　責任が有る。 三歳の女の子、一人で歯科病院へ来ることは無い。　必ず親と一緒。 このお子さん三歳、麻酔注射した事ある？　いいえ初めてです。 じゃあ、テストしないと、いけませんね。　是を問診と言う。そのときの 歯科医師、問診はしなかったのか？　テストはしたのか？　テストして何で患 者、死なせるのだ？　ＮＨＫのラジオ、正確でない。　 ＜　くじら式、歯牙（しが）清掃法　＞ 最後、実用的な話。 新しいタオルを、出してくれ。 指に付けて、歯の表と裏を清掃する。歯肉を痛めないこと。 患者の歯を磨いていると、ブラシの効果、案外ない。 舌の先で歯の表面を触れた時、汚れが付いて、ヌルヌルする。　ガサガサする。 これを取ろうとして、ブラシでゴシゴシ。　取れんのだ。 タオルで拭うと、バッチリ取れる。 今この場で試してくれ。　こんな手が有ったのだと、感動もの。 名付けてクジラ式、歯牙清掃法。　特許は取らない。万人に解放。博愛精神 じゃ。　特許は冗談なれど、ワシ鉄工所時代、世紀の大発明、した事ある。 興奮して金沢の弁理士事務所へ行くと、弁理士うるさそうにメモを出した。 工業試験場へ行ってこの特許、見てきて下さい。　行って驚いた。　ワシの大 発明、２５年前に申請してある。　改良までしてある。　工場へ帰り、 それを参考に、機械作った。　スゴイ！　褒められたよ。 世の中だいたい、こんな物。 言っとくけど、クジラ式、歯根部、歯間部は、別の方法だよ。　これ言っとか ないと、必ずイチャモン付ける奴がいる。　君ら知るか？　ライオンのクルッ とポンの、ローリング法。　歯肉のマッサージを兼ねた、上手い磨き方。 ある歯科医師、イチャモン付けて、その磨き方、日本人の歯を駄目にした。 言うんや。　大げさな。 歯根部が磨けて無いと、言うけれど、ローリング法以外の方法、 してはいかん、なんて、誰も言ってないぜ。 ワシのクジラ法も、歯の裏と表、表面だけだからね。 当然、他の方法を併用せな、アカンぞなもし。　ああしんど！ イチャモン付けようと、手ぐすね引いてる奴、多いかんね。 ワシもその一人だけど。 次の段、入試入学、歯学部って何だ？　　に、ご期待を！

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