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 人生に免疫力無き方、読む事なりまッせん

第 3 章 * 3 / 12
明海大歯学部・問題教授列伝
< 中嶌裕教授 日比野靖先生 >



材料学講座,中嶌裕教授こそは人柄と申し、
企画の実現力から言うても、
歯学部、期待の星なんである。

これ程の人物が我が明海大に来てくれた事、
我ら正に感謝すべきかも知れぬ。
これ、お世辞では無いぞ。

我がイクさん(宮田理事長の事)
教授約束にての招聘は有れど、
中嶌先生のは歯学部長約束での招きだ。

桁(けた)が違っとる。
成る程、ワシも六年間の観察にて、
イクさんの読みの正しさを知った。

加(くわ)うるに日比野靖先生だ。
以下に詳しく書く如く、
我が材料学は橋本弘一先生の頃から
人材の宝庫だった。

とにかく中嶌裕教授への期待は、
いや増しに募(つの)るのだ。


*     *     *




明海大学歯学部の創立者は、宮田慶三郎先生である。 先生は他にも
岐阜県朝日大学歯学部を創られて居る。

つまり我が明海大学と朝日大学は、創立者を同じくする姉妹校なん
である。



歯学部を二校も創設するには、ひとりでは出来ぬ。 宮田先生を
取り巻く、七人の侍と言うのが居てナ。

この先生方の強力なスクラムにて、新設歯学部を、今日(こんにち)
たらしめたのである。



我が明海大歯学部、材料学の中嶌裕教授のお父さんと、薬理学の
坂上宏教授のお父さんは、

宮田慶三郎先生を囲む七人の侍のメンバー、だった。



ワシ自身が、鉄工所の二代目の馬鹿社長だったので、うかつには
言えぬが、

二代目はだいたいにおいて、初代より出来が良くない。 この良く
ない中で、材料学の中嶌裕教授こそは、出色の出来と言える。



歯学部長だったモッサン事、山本美郎先生を、我らは明海大学歯学部
の中興の祖と言うが、

見方に拠りては、この中嶌裕歯学部長こそが、前任者の業績を確たる
ものにし、



さらにその上、ご自身の業績を創造なさる方ではなかろかと、ワシ、
秘(ひそか)に思うのである。

中嶌裕歯学部長こそ、明海大歯学部を新時代に合わせて作り変える
人にこそ、あらめやと思うのだ。



イクさんでも無いが、中嶌先生に対する期待は大きい。
諸君は、どう見る?



   *       *       *



< ワシ、中嶌裕教授に謝罪すべき事ある >



このページの執筆に当り、ワシ少々、取材した。 ある先生いわく。
先生、知っとるか?

中嶌センと日比野センがよ。 先生らの卒業の2〜3年後だ。
(歯科医師)国家試験問題の漏洩疑いで、



文部科学省の聴取を受けた事、知ってますか? ワシ、知りません。
そんな事、有ったのか?

この情報を耳にしたワシ。 中嶌先生らを咎める気、さらさら起こ
らず、むしろ謝罪したき気分がした。

その経緯を以下に書く。



   *       *       *



我ら29期の国家試験が終わり、合格発表も終わり、我ら新卒の歯科
医師が研修を始めた頃だ。

大学の廊下で、中嶌先生の材料学に在籍し、我らより一年上の28期、
双子座のザキ(弟の方)こと、山崎淳史先生にお会いして、

ワシ、文句いうたのだ。



我らが受験した歯科医師の国家試験は、98回である。 我が明海大
歯学部からは、

中嶌裕先生(今の歯学部長・当時は教授)と安井利一先生(現学長
当時の歯学部長)の、お二方が国家試験の出題委員だった。



ワシ、言うが、安井利一先生、国家試験直前の講義にて、ご自分の
出題たる憲法の福祉衛生関係の箇所につきて、

ここは注意して呉れと、チョロリ。 漏らされて居るのである。
これ漏洩だっせ。 でも誰も何も問題に成らなかった。



その同じ時だ。 材料学の最終講義担当の、我らが日々の努力先生。
親分から出題問題を耳にしてる筈なのに、

まったく、皆目、一切、漏らされなかった。 ここをワシ、双子座の
ザキ(弟)先生に、噛み付いたのだ。



安井先生は漏らしとるのだ。 テメ〜 んとこの親分は、まっ正直に、
ニアミスさえ、されなかった。

余りと言えば余りじゃないか。 遵法精神も、たいがいにして呉れと
言いたい。 チラッと、仄(ほのめ)かすくらい、

しても良かったのでは無いのかと、



捻じ込んでやったのだ。 ワシ、この件を、日々の努力先生に伝えて
置いて呉れと、念を押したくらいだ。

ひょっとしたら、ワシのこの文句に押されて、日々の先生、チラッと
ニアミスされたのではなかろか?



とすれば、ワシにも責任が有らあな。 さらには誰かが内部告発しな
けりゃ、こんなの問題にも成らぬから、

誰かが告発したのだ。 そいつは、こざかしと言える。 表本にも
書いた如く。



歯科医師国家試験の問題なんぞ、極く当然の如く漏洩しとるのだ。
文部科学省も知恵が無い。

出題委員の提出問題を、その年に使うから駄目なのだ。 ワシなら、
二年後三年後に、コソッと不意に出す。



問題なんて山程あるのだから、コンピューターで出題すれば、出題
委員でさえ、どんな問題が出るか判らない。

こんな簡単なアイデアさえ出ない文部科学省の担当者とは、一体、
何者かと問いたい。



国家試験問題の漏洩なんて、そりゃ文部科学省が、オツムの足りない
証明なのよ。

諸君らは国家公務員ですよ。 給与・年金天国の住人なんですよ。
レベルに達してないのとちゃいますか?(違いますか?)

恥じ入って下さい。



   *       *       *



中嶌裕歯学部長の材料学講座。 講義能力、指導レベル、教材の作成
能力。

いずれを見ても本学歯学部の雄でこそあれ。 歯学部の他の講座が、
すべて材料学講座のレベルにて学生に教授して呉れたなら、



歯科医師国家試験の合格率は数パーセントアップすると、ワシ、確信
を持ちて保証す。

その位、学生から見た中嶌裕歯学部長の材料学は、頼もしき存在
なのだ。



講義の面白さ、内容情報量の多さ、教材の充実度。 どれを取りても
我が歯学部のダントツの、一位である。

中嶌裕歯学部長の講義が良いのは当然ながら、准教授の日比野靖先生
の存在が大きい。



学生から見て、日比野靖先生は我が歯学部の至宝である。 日比野
靖先生の講義なら何であれ、

必ず全部出席しろと、ワシ常々(つねづね)、下級生に言うとった
ものだ。



日比野靖先生の講義は、四代目円生の落語より聞きごたえが有った。
面白い。 随所でニンマリしてしまう。

それでいて内容は、抜群の濃さ。 講義のレベルで比較すると、親分
の中嶌裕教授に優るかも知れぬ。



中嶌裕先生は、スタッフの先生に、武蔵級の戦艦を持ってる様な
ものだ。

この様に、ワシ、中嶌裕歯学部長の材料学を、ベタホメしたが、別に
ホメ殺しの意図は無い。



単に事実として、学生から見た中嶌裕教授の材料学の優秀さを言う
とるだけだ。



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ここらで少し、ケチのひとつも付けとかないと、後で何を言われるか
分らんので、

殊更にケチを付けて見ると、材料学。 この時点ながら、中嶌裕教授
以下、スタッフの先生が、お二人しか居らぬのだ。



安井利一学長の衛生学に、准教授が三名も居るのと比較して、何の
考えにて、

かようなケチを、なさっとるのかと、小首をかしげてしまう。 採用
しても良い先生方が、結構、居られるのに、だ。



衛生学の准教授三名は、学内の人間には周知の事なれど、一種の救済
政策である。

中嶌裕教授の材料学が、何の理由にて、スタッフの先生の椅子を、
ガラガラの空席に放置するのか、

理解しかねる。



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中嶌裕歯学部長は、話も出来れば、議論にも成る。 人望が有るから
協力者が多い。

その政策と実行力は、常に穏当である。 他の教授の理解と賛同の中
で、仕事を進められる。



モッサンの変革が、いかにも強引な感じを与え続けとったのに比べて
中嶌裕先生の改革は、じっくり意見の合意を待ちながら、

それで居てモッサンより早いと言う、指導者としては、理想に近い
ものを、中嶌先生は備えて居られる。



明海大歯学部、近年、随一の名歯学部長の出現と、ワシは思うとる。
文句あっか?



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以下はワシの独断と偏見の、教授通信簿である。 評価は、
優秀・優良・優・良上・良 の五段階である。



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○ 学生への講義のレベル ○


○ 中嶌裕教授  ・    優秀
○ 日比野靖先生 ・ (超)優秀


○ 弟子育成能力 ○


○ 中嶌裕教授  ・ 優秀
○ 日比野靖先生 ・ 優秀


○ 臨床技能的能力 ○


○ 中嶌裕教授  ・  優良
○ 日比野靖先生 ・  優良


○ 研究者としてのレベル ○


○ 中嶌裕教授  ・ 不明
○ 日比野靖先生 ・ 不明(ある先生、大した事なし?)



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< 寸評 >



日比野靖先生の研究レベルに付いて、こき下ろした先生が居た。
それが如何(どう)したと言うのだ?

学生から見た日比野先生の価値は、テメ〜なんかより、上だぜ。



日比野靖先生のご愛称を、日々の努力センセと申す。 講義の最後
なんぞに、

日々の努力が肝心です、なんてやられると、我ら、ヤンヤの声援を
発したものだ。



とにかく明海大歯学部の学生諸君。 日比野靖先生の講義は、最大
漏らさず、全部出席しとけ。

面白い事、請け合いだ。 面白い上、為に成る。 ホント他学部が
材料学の如き講義に成れば、



本学の歯科医師国家試験の合格率は、必ずアップする。 中嶌裕歯学
部長の時代は、時代の要請にて、

嫌でも新しい編成へと移行せねばならぬ時だ。 この時に良き船長を
得たものだと思うは、ワシひとりではあるまい。

我ら期待してるのだ。









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