*  自分史 製造業系 ( 五十歳までのワシ。 鉄工所三十二年間の想ひ出 )  *   < kujila-books ホームへ帰る >

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第 1 章  *  10 / 11 

< コマツに寄生してる企業内企業家。

     本日も晴天なり。 >






寄生しとるんでは無い。
彼らは、れっきとした正社員だ。にもかかわらず、
本日も企業内企業活動に、余念が御座らぬ。
秘密の秘密のアッ子ちゃん遊び。
うっしっし、なんである。



*     *     *





< コマツフォークリフトは、良い会社です。>


コマツフォークリフトの名称は変更? もう存在しません。 つまり、
そう言う、古い古い物語なのです。


当事者の皆さまは、八十歳をオーバーされました。 コマツフォークリフトの
常務だった方なんて、お元気ならば、百十歳でありましょう。

この話をワシに自慢した、問題の会社の工場長だった方も、八十歳を越えました。



その元工場長。 誇らしげに話すのでした。

A はコマツフォークリフトの常務でね。 力( ちから )の有る人だった。
だから部下に指示して、仕事を親戚筋の ウチの会社に出したのさ。

単価が、出した時点で、普通の三倍だぜ。 ウチは下請けの頭(あたま)なんか
はつらなく とも、普通の単価で外注してれば軽 〜 く 儲かった。


あたまをはつる、とは、一万円の単価を八千円で外注する事だ。 二千円、はつ
った。 となる。 マージンを取る事だな。

ケチな会社は、はつりが大きい。 下請けは親会社の儲けに貢献する事に、
成る。


元の単価が平均の三倍なら。 普通の単価で外注すれば、それで良い。 二次の
下請けは、感激する。

良い親会社だと評判が立つ。 そんな下請けに行って見ると、それ程の感激、
してなかったから、


儲けの上に、さらに儲けようとして、単価を削ったに違いない。 元の工場長だけ
あって、お口が上手だわ。

すると、この会社の利益は、どの位でしょうか? 計算出来ない位? 当然、常務
へのバックリベート。 有ったでしょうがね。



見ても判る如く、単価を三倍にして( ご自分の親戚の会社に )発注させる常務
なんて、それだけで首だっせ。

コマツフォークリフトの工場は、神奈川県だ。 アルプスを迂回して、はるばると
石川県の小松だっせ。


運賃は幾らですか? 単価は三倍なんでしょ。 メリットなんて、無いじゃ
ない?

おおっと失礼。 会社のメリットは有りませんが、当事者のメリットは、
大きいのでした。

A 氏は東京なんで、ワシは氏を、見た事ない。 でも小松で、その下請けだった
会社は、知っておる。 肩で風、斬ってたぜ。



 *       *       *



羨ましい限りです。 ワシも一度でいい。 そんな目に会いたかった
しみじみと、思います。



会社の儲けは、羊(ひつじ)の肉なんす。 会社が食べるか? 従業員が
横取りして、こそっと、つまみ食いするか?

その差、だけです。 上は取締役から。下は、平の外注係まで。
社長だって油断は出来ません。 どうせサラリーマン。 雇われ社長です。


チャンスさえあれば、誰もが手を染めたい。 ワシみたい、染めたかったのに、
その機会のなかった者も含めて。

みなさん、虎視眈々とチャンスを待っておられるのです。



 *       *       *



羊(ひつじ)の肉には、私企業の肉もあれば、国家の肉もあります。

2008年の北京オリンピック。 中国の胡錦とう主席。 帳面を見ると、
予算の半分が消えていた。



江沢民ら、党の幹部が、ネコババしてた。 オリンピック予算の半分ですからね。
美味しかったでありましょう。 騒ぎに成らないのが、かの国の良い所です。

2009年の中国の公共投資。 地方の幹部のネコババを許すなと、異例の
通達が出たそうです。 自分はしといて、人にはするな ・・・ ですか?

浜田 和幸先生の本にありました。



 *       *       *



< 学校の先生だって、バックリベートを盗っている。>


ワシ日教組に、是非是非、して欲しい事がある。

学校でのバックリベートの廃止、です。 教科書の選定は、担当の先生に、
リベートが渡されます。

金額もレートも固定されて、先生が変わっても、伝統として、引き継がれます。



石川県の方なら、宇都宮書店を知ってますね。 県下最大の書店です。

あそこのセールスマンだった方。 教えて呉れました。
学校で問題集や、副読本なんか、使うでしょ。 皆さんも記憶があるでしょ。


あれの代金を学生が払いますと。 7%が、担当の先生にキックバックされる
のです。 これ、れっきとした、バックリベートです。

こう言う生臭い問題には頬( ほ )っかむりして、教育がどうの。 政治がどう
のと、言いなさんな。 日教組さん


先生が、これですからね。 新しい教科書を作る会。 どんなに頑張っても、
そんな教科書は、採用されません。

西尾 幹二氏だったかな? 会の教科書が採用されないと、ぼやいて居られ
ましたが、文中に、このバックリベートの問題。


全く触れられてません。 西尾先生は知らないのか? 知ってて書かない
のか? どっちにしても奇怪でした。

提案ですが、新しい教科書を作る会も、他の教科書会社と同額のリベートを
出しますッ


と言う宣伝を、何で、ぶたないんです? 西尾先生だって大学の教員なんだから、
自分の教科書を学生に、強制的に買わしてる教授。 見てるでしょうに。

セコイ教授はね。 自分の本を買わせといて、見せに来い
言うんですよ。


行くと本に、判子。 ポンと押す。 既に押してある本は、駄目だよ。
先輩のお古を持って来ても、認定はせん

かね出して、( わしの本 ) 新しいの買って来い



学生の弱味に付け込んで、お小使いを稼ぐ教授、結構、居られます。

ところで、新しい教科書を作る会の教科書に、例の如く 中国と韓国がいちゃもん
付けてましたが、

日本の学校が、バックリベートの巣窟( すく つ )である事、ご存知ないんかな?
ほぼ完璧に、そのシステムで支配されてます。

そうやって出版社は、自分とこの教科書、固定するのです。



 *       *       *



人間の不思議はね。 コマツみたいに、きびしい管理をしてる筈の会社に、何故 こんなに沢山の企業内企業家が居られるのか? と言う疑問です。

きびしさが、反( かえ )って息抜きを求めるんでしょうか?


先ほどのコマツ系の会社の常務さん、正規の年収は二千五百万くらいでしょう。
バックリベートは年間、お幾らでしょうか? あれなら二千万でも軽いです。

バックリベートだけで家が建ちます。



下半身がドレドレの三菱。 反って企業内企業家が少ない。 三菱キャタピラーの
利益が、下請けに流出してるの見ながら、ワシは奇怪でした。

経営者が何を考えてるのか? 最後まで判りませんでした。



コマツと三菱キャタピラーと、どっちが良いのか? どっちも善く ないですよね。
だからと言うて、不正の無かったパナソニック( 松下電器産業 )。

下請けから見たら、糞( くそ )面白く も無い会社なんす。 まあ、せいぜい、
下請けの、みんな。 同じように苦しんでるって言う、慰めは有りましたけどね。

バックリベートの利かない会社って、面白味の無い会社なんすよ。



かと言うて、有り過ぎる会社にも腹が立ちますんや。 理由はね。 良い目するの
二 〜 三社、だけでしょ。

こき使われた会社、恨み骨髄なんすよ。 たとえばワシみたい。 その結果、
腹いせに、こんな物を書いたりするんです



 *       *       *



最後に、小さいのを、ひとつ。

材料のイカサマです。 親会社の従業員が、出入り業者と結託して材料をクスネる。
そんな話です。

厚さが十センチでね、一メートル半に、二メートルの鉄板を、イメージして下さい。
こんな厚い鉄板、相当の金額です。 握りこぶし大の丸棒が、六百円ですからね。


この鉄板から、溶断で製品を切り取る。 当然会社は、一個でも多く取ろうとします。
それを ・・・ です。

十個、取れるものを、社員。 八個しか取らない。 余白のたっぷり残った鉄板を、
スクラップで出すのです。



く だんの業者、その余白から、別の製品を溶断で取る。 材料はく ず鉄の値段
です。

なのに納品する時は、れっきとした鉄板の値段で入れます。 ガッポリ出る余分の
儲けは、当然、山分けです。 材料費は高いから、金額、馬鹿にならないんすよ。


会社の連中は、みな知ってます。 なのに言わない。 その筋の方なんで、言え
ないのです。

特に外国の方だとね。 国籍が違う上に、その筋の方とく りゃあ。 社長だって、
ビビリます。 見て見ぬ振りです。



こんなの見てますと、日本はまるで、バックリベート列島です。
不正とイカサマの列島に見えます

でもね、ソルジェニーツィンの、収容所列島よりは、増しかもね。
収容所列島とは、収容所だらけだった旧ソ連への、皮肉です。



若い人、ソルジェニーツィンを知らない。 旧ソ連の作家。 かれの作品。
イワンデニソービッチの一日。 く らいは読みなさい。



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第一章、長く なった。 さて最後だ。 次の段で残りを書いて
お仕舞いにする。

題して、企業内企業家。 ゴキブリ編だッ





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